こんばんは。
今日は、2ndアルバム「ETERNO」より、ウジェーヌ・ボザ「アリア」へ込めた思いを綴っていきたいと思います。
フランス出身のボザ(1905年-1991年)は、指揮者や音楽教育者としても活躍した作曲家でした。
彼の作品は、フランスの音楽教育の伝統を受け継ぎつつ、技術的な挑戦と感情的な表現を兼ね備えています。
また、フルートやクラリネット、サクソフォンなどの木管楽器のために多くの独奏曲や室内楽曲を作曲し、これらの楽器の音色と表現力を最大限引き出すことに成功しました。
「アリア (Aria)」 は、彼が1936年に作曲した作品で、もともとはアルト・サクソフォンとピアノのために書かれました。
しかし、その美しい旋律と表現力豊かな楽曲は、フルート、オーボエ、クラリネット、トランペット、トロンボーン、ファゴットなど、多くの楽器のために編曲され、今日まで引き継がれています。
この曲の音には、忘れられたいという静かな諦念と、忘れられたくないという渇望が、交互に現れてくるように感じます。
穏やかに流れる旋律は、まるで過去の記憶や存在が時間と共に薄れていく様子を描写しているかのようです。
そこには、消えていく自分自身を受け入れるかのような静けさもありながら、その一方で、「まだここにいる」「私を忘れないでほしい」と必死に訴えかけてくる瞬間を感じてはっとします。
存在の儚さと、どこか記憶に留まりたいという人間の本能的な願望が、音楽によって繊細かつ大胆に表現されています。

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